「ギャンブル依存症」体験記(1)世間にウソの顔を見せながら“やっちゃいけないこと”に手を出して…
ギャンブル依存症の人は、案外周りにいるものですよ。私の周りには公務員、仕事を持つ1児のママさん……。みんな特別じゃない、普通の人です。
私は20歳の頃からフリーでライターをしてきました。ライターだけで食べられないときはアルバイトを並行しながら、ルポルタージュやエッセーを書き続けてきました。ギャンブル依存症の借金で苦しんでいたときも、平気な顔をして仕事をしていました。だから今、私の周りはみんな「知らなかった」「気づかなかった」と言います。3年前に亡くなった母親も、最後まで知りませんでした。
ギャンブル依存症は“遺伝”も関係しているのではないかといいますね。私の母親も、母の再婚相手の養父も、パチンコを楽しむ人たちでした。実父は私が3歳のときに亡くなったので、よくわかりませんが。
私はそんな両親に育てられたので、小学校の頃から両親と一緒にパチンコ店に出入りし、景品のチョコレートをもらって喜んでいました。ギャンブルが「倫理的に好ましくないこと」だなんて意識はまったくなく、レジャーのひとつという感覚でした。 =つづく
(構成=中野裕子)