肺がん治療の今(1)末期であっても長期生存に希望が見えてきた

公開日: 更新日:

 免疫チェックポイント阻害剤は、2018年、京都大学の本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞を受賞したニュースで耳にした人も多いのではないか。

 私たちの体には、敵が来たら攻撃する免疫機能が備わっている。がん細胞も敵なので、免疫細胞であるT細胞が、がん細胞の存在を認識すると活性化し、攻撃を始める。ただ、攻撃が過剰になり自分の細胞が傷つけられるのを回避するため、私たちの体には、T細胞を抑える機能、すなわち免疫チェックポイントも備わっている。

「がん細胞は免疫チェックポイントで、T細胞の攻撃をかわし、増殖する。それに対し、免疫チェックポイント阻害剤は免疫チェックポイントにブレーキをかけ、T細胞の本来の働きを取り戻させます」(樋田医師)

 治療選択肢が増えた今、たとえ手術ができなくても、長期生存に希望が見えてきた。次回からより詳しく紹介する。(つづく)

※陽子線は放射線の一種。保険適用となるのは早期肺がん(Ⅰ期~ⅡA期)のうち切除不能なもの

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース