著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

白内障ではないが眼内レンズで「老眼」を治療したい

公開日: 更新日:

 眼内レンズの費用の話をしましょう。「白内障があり、治療としての眼内レンズ挿入が必要」を前提として、話を進めますね。

 もし単焦点レンズを選ぶなら健康保険適用となり、診察・検査費用も含めて片目約6万円(3割負担の場合)です。しかし老眼治療も兼ねたい場合、選ぶことになる多焦点レンズは保険適用外ですので、本来は全額自費となります。しかし前述の通り、選定療養の対象となっているため(すべての多焦点レンズに選定療養が認められているわけではない)、負担する額は全額負担よりグッと低くなります。

 選定療養とは、簡単にいうと保険適用と保険適用外の混合医療ができるということ。

 全額自費ですと、手術前後の診察や検査も自費となりますが、選定療養での白内障治療では、それらは保険適用。多焦点レンズの差額代金と追加で必要な検査費用だけ、保険適用外となります。当院では、保険診療分が約6万円(3割負担の場合)、多焦点レンズ代などが40万円なので、総額46万円くらい。全額自費の80万円と比べると、幾分か手が届きやすくなります。

 なお、白内障治療の多焦点レンズが選定療養の対象となったことで、先進医療対象外となり、保険会社などの医療保険で先進医療特約に入っていても、それは使えません。

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