避難所の必需品「段ボールベッド」は災害関連死につながる睡眠不足を防ぐ
復興庁が東日本大震災で認定された1632人の災害関連死(2012年3月31日時点)のうち1263人に対して調べたところ、約51%が「避難所等における生活の肉体的・精神的疲労」が原因で亡くなったという。その中には睡眠状態の悪化が原因の被災民も多かったはずだ。
そこで、被災地での安眠確保の手段として注目されているのが「段ボールベッド」だ。東日本大震災発生直後に考案され、2016年4月公表の「避難所運営ガイドライン」にも推奨の記載があり、全国の自治体での導入が進んでいる。
その有効性は多くの研究機関でも明らかにされている。例えば日本赤十字北海道看護大学などの研究では、冬季に体育館内にテントを張り、ジェットヒーターやアルミマットなどの防寒対策をして睡眠を試みたが寒さで眠れなかった。しかし、段ボールベッドを使用すると90%の参加者が眠れ、うち20%が熟睡できたと報告している。
■個人で購入するといくらかかる?
2020年以降の新型コロナ大流行も地方自治体導入への後押しとなったものの、その数は十分とは言い難い。