「タウリン」の摂取量が多い人ほど膝の伸展筋力が増加…立つ、座る、歩くに関係
「今回のように8年間という中長期にわたり、食事由来のタウリン摂取量の筋力への影響を調べた研究はありませんでした。日常的に食事でタウリンを取ることで、高齢でも膝の伸展筋力を維持できる可能性が初めて明らかになったのです」
タウリン摂取源で最多はカキなどの貝類。その次にタコやイカなどの頭足類がきて、さらに、その次にサンマやアジなどの魚類がくる。
例えば、カキ約30グラム(約2個)、タコ約50グラム(刺し身約5切れ)、サンマ約80グラム(約半尾)のいずれかで、タウリンがおおよそ300ミリグラム取れる。
「タウリンは水分に溶けやすい。お刺し身で食べるか、汁物や炊き込みご飯など調理時に出る水分ごと食べられる食事が、上手な摂取法です」
タウリンについては、囲みのような研究結果も発表されている。楽しく人生を全うするために、タウリン豊富な魚介類を日常生活に取り入れてはいかが?
■さまざまな健康効果が実証されている
タウリンの研究として、「マウスの寿命が最大12%延び、更年期のメスマウスの骨粗しょう症を大幅に改善。中年のアカゲザルにタウリンを与えたところ、体重増加を防ぎ、血糖値を下げて肝臓の状態を改善し、骨密度を上げた」(米コロンビア大学研究グループの動物実験)、「タウリンの摂取量が多い人は、血圧、血中コレステロール、肥満度などが低値。食事からのタウリン摂取量は、虚血性心疾患による死亡率と負の相関関係」(京大・家森幸男名誉教授らの世界25カ国2万人対象の国際的疫学調査研究)といった報告もある。