紙に「書き出す」だけで不安を抑え、パフォーマンスを向上できる
不安や心配事に押しつぶされそうなときが誰にでもあると思います。不安と上手に向き合う方法として、「あえて不安を紙に書き出すと効果的」という南メソジスト大学のペネベーカーらの研究(1988年)があります。
ペネベーカーらの実験は、36人の女性と14人の男性に対して行われました。まず10分間安静にし、その後、血圧、心拍数、そして皮膚コンダクタンス(皮膚の電気)を測り、血液を採取し、質問用紙に回答してもらいます。
その上で、男女比が同じになるようにトラウマ的体験をしたことがあるグループに被験者を分け、片方のグループには1日15分、4日間にわたって、人生で最もトラウマ的で悩みの種となるような出来事を書いてもらいました。同様に、もう片方のグループには、その日にしたことや履いていた靴などの普通のトピックについて20分間ずつ書きつづってもらいました。
4日目が過ぎた後、再び血圧、心拍数、皮膚コンダクタンスを測り、採血をして、さらにその6週間後、再び採血をする。以後も、フォローアップの調査として、メールで質問項目を送るなどして回答を募るようにしたといいます。