水虫がある人は「メラノーマ」に気をつけたい…30%は足裏に発症する
治療は手術でがんを切除するのが基本だ。ただし、所属リンパ節への転移や他の臓器への遠隔転移が見られ、手術での切除が難しいステージ4の場合や、手術ができない人に対しては薬物療法が行われる。
「メラノーマの患者さんは病変部にBRAFと呼ばれる遺伝子に変異が見られやすい。そういった方に対して高い効果を発揮するのが、分子標的薬の『BRAF・MEK阻害薬』です。しかし、BRAF遺伝子の変異は日本人患者の約30%にとどまり、すべての方に適応するとは限りません。変異がない場合には、免疫チェックポイント阻害薬の『オプジーボ(一般名:ニボルマブ)』や『キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)』が選択されます」
手術ができてがんを完全に切除しても、メラノーマは再発や転移の可能性が高い病気だ。そこで近年は、所属リンパ節への転移が確認された患者に対して、術後の再発や転移予防の目的で分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を使用する「術後補助療法」が行われるケースが多い。術後12カ月間の治療で、かつて50%だった再発率は40%に減少すると報告されていて、有効性の高さから保険適用になった。