救急搬送となった男性患者… 息子がその付き添いを拒んだ理由
ある日私が訪問診療でご自宅を訪問すると、男性の患者さんが廊下で倒れている姿が目に飛び込んできました。ベッドがある部屋からトイレへと続く廊下です。幸いなことに意識はしっかりしています。
「倒れていたのはいつからですか? ご飯食べましたか?」(私)
「昼ごはんは食べてからでした」(患者)
「それじゃあそんなに長くなさそうですね。トイレに行こうとして倒れて転んで動けなくなった?」(私)
「う~ん」(患者)
「じゃあ倒れたのはさっきですね」(私)
「でも私にしては長かった」(患者)
「そうですね。息苦しいとかありますか?」(私)
「少し……」(患者)
サチュレーション(血中の酸素飽和度)の検査を行ったところ、健康な大人で95%前後ある値が83%と比較的低く、酸素を取り込めていない状態。具合も悪そうで、浮腫が強かったこともあり、このままご自宅に置いておくことはできないと判断、ひとまず病院へ救急搬送することにしました。