やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」サルコペニアが心配な高齢患者に使って大丈夫?

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 その一方で高齢者人口の増加に伴い、膵臓の機能が低下するため、糖尿病の高齢者数は増え続けている。

 そんななか、血糖コントロール作用だけでなく体重減少効果があるとされるSGLT2阻害薬を高齢者に使って大丈夫なのか?

「SGLT2阻害薬は、腎臓近位尿細管で原尿からグルコースの再吸収を担うSGLT2の働きを阻害することで尿糖排泄を促し、血糖値を抑える薬です。その一方でこの薬は体内のエネルギー代謝にも影響を及ぼします。それがこの薬がやせる理由なのです」

 人は全身の細胞に栄養素と酸素を取り込み、ミトコンドリアで酸化。ATPと呼ばれるエネルギー源を作り、二酸化炭素と水を排出する。ATPを作る3大栄養素が糖質脂質、タンパク質で、それぞれがATPを作るための回路を持っている。

 炭水化物は消化管でブドウ糖(グルコース)に分解・吸収され、血液を介して全身に運ばれ、インスリンによって血液中から細胞内に取り込まれる。その後「糖代謝」(解糖系、クエン酸回路、電子伝達系)によりひとつのグルコースから30以上のATPを作り出す。

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