著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

日比谷高校の東大合格者数“復活”に尽力した3人の立役者

公開日: 更新日:

「学校間の格差をなくすというそれまでの方向性とは正反対に、石原さんは競争原理を持ち込んで、都立高の底上げを図ったのです。そこで振り落とされる学校があっても、それはそれで仕方がない。弱肉強食によって、強い都立高をつくるというのが石原さんの考えでした。それを実現するために、校長に強い権限を与えたのです」

 そうして日比谷高の校長に抜擢されたのが、都立高の教員生活を経て、都立教育研究所統括指導主事や都教育庁学務部副参事を歴任した長澤だった。

「教員時代は、都立高の従来のやり方に固執して変化を望まない多くの教員たちとぶつかり、対決してきた人物です。行政の分野に転身してからは、日比谷高に自校作成問題による独自入試を導入させるなど、入試制度改革に取り組んできた。それらの功績に加え、教員に対して妥協を許さない姿勢が石原さんの方針に合致し、日比谷の校長に就くことになったのです」(都元職員)

 だが、長澤の校長就任は大きなあつれきを生むことにもなった。長澤は自身の方針に合わない教員に日比谷高からの異動を促し、当時始まった都の教員公募制度を使い、大幅に職員を入れ替えたのだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…