著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

日比谷高校の東大合格者数“復活”に尽力した3人の立役者

公開日: 更新日:

 18年には48年ぶりにベスト10入り(48人・9位タイ)を果たした。ランク入りした他の10校(9位に3校)は私立もしくは国立の中高一貫校。3年制の公立校が名を列ねたのは93年の県立千葉高(9位)以来だ。が、その千葉高も新設された中高一貫私立校の渋谷教育学園幕張に県内トップの座を奪われ、08年に中学を併設。中高一貫公立校として巻き返しを図っている。

「日比谷復活の立役者は良くも悪くも、99年から13年半にわたって都知事を務めた石原慎太郎氏、長澤直臣・第25代校長(01~09年)、武内彰・第27代校長(12年~)の3人」と話すのは日比谷高関係者。

 都知事に就任した石原がまず掲げたのは「都立高改革」。01年に「進学指導重点校」を設け、その第1号として日比谷、西、戸山、八王子東の4校を指定した。さらに03年には学区制を全面撤廃。都内に住んでいれば、どの都立高でも受験できるようにしたのだ。当時をよく知る都の元職員は次のように話す。

■学区制の全面撤廃で競争原理が働いた

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