政治家転身を封印 フェンシング太田に東京でも金の可能性
「当時は体が重すぎて走れず、動けず、パワーもなかった。ロンドンまでは筋肉を付けすぎてオラオラ系だったのを、無駄な筋肉をそぎ落として体の小型化に努めたのです。同時に姿勢を改善したり、動作を見直してスピードアップを図りました。190センチを超える欧州勢に勝つための肉体をつくってきました」(牧野トレーナー)
北京五輪時から師事するウクライナ人のオレグ・マイチェク・コーチとのタッグで戦術も変えた。これまで猪突猛進だったのを、相手の動きを読み、失点しない戦い方を取り入れるなど柔軟な対処法を身に付けた。昨年アジア大会(韓国・仁川)団体金、今回の世界選手権でも結果を残したからか、本人は「フェンシングが分かってきた」と手応えを口にしている。
東京五輪では34歳。30歳を過ぎると肉体的には下り坂といわれるが、牧野トレーナーは「現状では急激な肉体の衰えは考えにくい」と話す。
太田はリオどころか東京でも表彰台の真ん中に立つかもしれない。