非白鵬閥の玉鷲V…“モンゴル帝国”崩壊で角界はどうなる?
■「白鵬抜きでもお客は呼べる」
白鵬全盛の頃は、そうではなかった。序盤で取りこぼさない限り、優勝はほぼ確実。終盤は鶴竜や日馬富士のモンゴル人横綱との対戦が組まれていたが、自身のVがかかった当時の白鵬は、彼らに苦戦はすれど、まず負けなかった。つまり、終盤戦の白星は約束されていたようなものだった。
冒頭の菅野氏は「白鵬がモンゴル人だから、というわけではありませんが」と、こう続ける。
「スポーツは下馬評通りにいかないからこそ面白い。白鵬が元気だった頃の大相撲は、それこそガチガチに堅いレースのようなもの。たまに大穴が勝つけど、大体は『また今場所も白鵬か……』でしたからね。ファンのみならず、力士も優勝のハードルの高さに絶望していたとしても、おかしくない。それに比べると、今の土俵は活気がある。たとえ白鵬がおらずとも貴景勝や御嶽海らがいれば、十分、お客さんは呼べますよ」
玉鷲はモンゴル人でも同郷力士とは距離を置き、白鵬らの閥には入っていない。かつて土俵を支配していたモンゴル帝国は崩壊寸前。次いでやってくる熾烈な優勝争いから、目が離せない。