中日にも在籍…「サイ・ヤング賞」初代受賞投手の壮絶人生
ドラゴンズを退団したニューカムは65年に破産を経験し、現役中から始まっていたアルコール依存症が深刻になるなど、一時は日々の生活を送ることさえ難しくなっていた。
が、70年にドジャースが地域社会担当部長に迎えると、アルコール依存症を克服した経験から80年にドジャース薬物アルコール啓蒙プログラムを開始。2017年まで球団の一員として活動を続けた。
実働10年で通算149勝90敗、防御率3・56と、ニューカムの成績は「大リーグ最初のサイ・ヤング賞受賞者」という名声に比べれば物足りない。
「私は自分の体に十分な注意を払っていませんでした。そして、アルコールによって私の選手生命は6、7年は縮まってしまいましたし、入ってしかるべき野球殿堂にも入れませんでした」というニューカムの回想は、薬物問題などを抱える現在の大リーグにおいて大きな意味を持っている。