阪神・小幡 自由を手にしてなお追い込みをかけた高校時代
「生徒たちも最初のうちは自由になったと喜んでいましたが、だんだんと危機感が芽生えたのでしょうね。特に小幡は練習が終わった後も『ノックしてください』と頼みに来るようになった。キャプテンではないものの、そんな小幡を中心に、チームに自主的に練習する雰囲気がつくられました。彼は練習にもすごくこだわりがあって、ひたすら源田選手(27=西武)の動画を見て、黙々とテニスボールを使ってトレーニングをしていました。自分で考えながらやっていたので、一人で育っていったというイメージが強いです」
こう言う一宮部長が太鼓判を押すその自主性は、「上2人の兄にはあれこれ口を出していたけど、竜平はのびのびやらせていた」という、父・正樹さんの教育方針のたまものだ。
小幡は4人兄弟の三男坊。正樹さんはこう話す。
「私も大分商業で野球をやっていたので、源田選手も森下選手(23=広島)も後輩といえば後輩です(笑い)。長男は大分商業で、延岡学園に進んだ次男は(中学時代に)明野ビッグボーイズで源田選手と同じチームでした。兄たちの試合を見ていた竜平は、源田選手の姿を追っていたようです。ちなみに竜平の2つ下の四男は延岡学園の3年生。次男から計8年間、延岡学園でお世話になっています」