千賀の状態を不安視する声もあるが…続投指令に首を振ったWBCでの経験が五輪で生きる
東京五輪開幕までちょうど1週間になった。
野球の侍ジャパンは28日に初戦を迎えるが、千賀滉大(28=ソフトバンク)の状態が不安視されているようだ。本来ならば押しも押されもせぬ「日本のエース」という選手だが、今年は4月に左足首の靱帯を損傷。復帰が遅れていたため、6月16日に発表された代表メンバーからは漏れていた。巨人の菅野智之、中川皓太の故障による辞退があって追加招集されたものの、直後に上がった3カ月ぶりの一軍マウンド(7月6日=ロッテ戦)で3回途中10失点。再び登録抹消されており、メディアには「二軍から五輪」と報じられた。
評論家の厳しい意見も散見されたが、私は心配していない。KOされたロッテ戦でも、直球のMAXは158キロ。スピードはあった。打たれたのは球が真ん中に集まった制球の問題で、これは一軍での実戦感覚に起因する。千賀レベルの投手なら、アジャストするのは難しいことではない。仮に、本番までに制球の不安が解消されなかったとしても、相手は粗っぽい外国勢だ。あの160キロのスピードと、「お化けフォーク」と称されるワールドクラスの決め球があれば、細かな制球は気にしなくていい。開き直って腕を振ることだけ考えれば、むしろ好結果につながるとみる。