ツアー最終戦に大坂なおみも不在…「女王」が「女王」でない現実の受け止め方
兄二郎とともに、戦後のテニス界を支えた気骨の人は黙って通すわけにいかなかった。天皇杯を頂戴している競技も多くはないのだ。深刻に検討された結果、渋々、コンピューター会社のアルファベット3文字が頭に入った。現在では「大正製薬リポビタン全日本テニス選手権」と、ご丁寧に商品名まで紹介する。
コロナが時代を変えるわけではない。コロナがあちこちで現実を暴露するのだ。
■ツアーファイナルに新顔ずらり
テニスはシーズン終盤に進み、今季の上位選手を集めるツアーファイナルの顔ぶれが揃いつつある。
会場が中国の深圳からメキシコのグアダラハラに移った女子は8人のうちの7人が決まり、サバレンカ、サッカリ、シフィオンテク、バドーサ……新顔が並ぶ。唯一の4大大会覇者、全仏で優勝したクレイチコバも馴染みはないだろう。
ウィンブルドンで優勝した世界ランク1位のバーティが欠場を表明した。
母国オーストラリアの厳しい出国条件が理由だが、グアダラハラの標高(1600メートル)、賞金の減額もある。19年の総額1400万ドルから、500万ドルまで下がった(昨年は中止)。