ロッテ1位・松川虎生 16歳で禁じられた「夜の白米」と「揚げ物」
紗絵美さんが笑って述懐する。
「小さい頃から優しくて人懐っこい子でした。川端監督のことが大好きで、『家に泊まりに行ってもいい? 遊びに行っていい?』としょっちゅう言うから、『自分は暇かもしらんけど、監督は忙しいんやから、あんまり連絡しいなや』と言ったんです。普通、何回か断られたら、あんまり連絡せんでしょ? それなのに、本人は全然気にしなくて、しつこく泊まりに行きたいと話していた。一度だけ監督から『ええよ』と言われたときがあって、電車に乗ってひとりで監督の家に行っていました」
川端監督が振り返る。
「珍しい子でしょ。監督の家なんて、遊びに来いと言っても嫌がるのが普通なのに。でも、いざ家に来たら話もせず無言のまま。じっとして家に飾ってある私や息子や娘のトロフィーを見ながら、おとなしく座ってケーキ食べているだけなんです」
野球を始めたのは小学1年のとき。兄の竜也さん(19)がプレーする姿をきっかけに、やりたいと言ったという。竜也さんは岸和田産業高まで野球部で投手。現在は大阪府内で会社員をしながら草野球チームをつくり、投手を続けている。