常軌を逸していた高梨沙羅選手へのメーク批判 セラピスト「アスリートには欠かせない」と指摘
■アスリートにとってメークはユニフォーム
しかし、アスリートにとってメークの目的は、容姿をより良く見せることだけではない。
「鏡を通して視覚から自分の顔の印象が入ってきた時に『今日の私イケてる』と思うことで、まず自己肯定感が安定します。するとおのずとパフォーマンスも安定してきます。アスリートにとってモチベーションが下がる不安要素を取り除くことは当たり前のこと。メークをする暇があるなら練習しろという批判の声もありましたが、高梨選手は競技に集中するための手段としてもメークをしているのだと思います。アスリートは試合前に集中するために瞑想をしたり、アロマを焚いたり、音楽を聞いたりなどのメンタルを整えることをしているはず。それらとメークすることは同じ位置にあるといえるのではないでしょうか?」
実際に高梨選手は過去のインタビューで自身の性格を「もともとネガティブの塊」分析し、メンタル強化の方法を模索したという。
高梨選手のメークの変遷には、「研究と分析」の跡が感じられ、きっとそれはアスリートとしても培った視点が用いられていたのだろう。メークは戦うための「武器」でもあるし、アスリートにとっては必要な「ユニフォーム」といえるのではないだろうか?
(取材・文=SALLiA/ライター)