元近鉄監督・梨田昌孝「おまえたちがつけている背番号はすべて近鉄バファローズの永久欠番だ」
梨田昌孝(元近鉄監督)
シーズン真っただ中の2004年6月13日、球界に激震が走った。日本経済新聞が朝刊の1面で経営の行き詰まった近鉄にオリックスが合併を持ちかけ、近鉄が合意したことを報じたのだ。スポーツ紙ではない一般紙の日経のスクープだったことにその重大さがうかがえる。
事態は他にも球団経営が厳しいチームがあること、パ・リーグが5球団になれば日程の編成が難しくなることなどの理由から2リーグ制を廃止し、もう1組の合併を行って10球団による1リーグ制への移行の動きが表面化。このまま一気に球界再編成が進むかに思われた。だが、これにプロ野球選手会が猛反発、騒動は大きくなっていった。
そんな中、6月30日に1人の男が近鉄買収に名乗りを上げた。急成長を遂げていたIT業界の雄、ライブドアの堀江貴文だ。
当時31歳、「500億円の現金があるので資金面での心配は全くしていない」など派手な言動で世間を騒がせ続けた堀江を保守的な各球団のオーナーは毛嫌いして全く相手にせず、8月5日になって堀江は「近鉄が買収に応じずオリックスと合併するのであれば、新たにチームをつくってパ・リーグに参入する」と宣言、その後、チーム名を仙台ライブドアフェニックスとしてNPBへの加盟申請を行った。