「罠に落ちろ」藤田宜永著
探偵の影乃はジャズシンガーの谷内恵理に頼まれて、蔵主グループの会長、蔵主喜一郎の家に窃盗に入ろうとしていた恵理の父親を止めようとしたが、父親は殺されていた。影乃が蔵主邸に向かうと、そこには同業の探偵、唐渡美知子がいた。美知子は喜一郎の行方不明の長男、清太郎を捜すように依頼されていたのだ。邸内に忍び込んでいた窃盗グループのボスはピストルで自殺したが、どうやらこの窃盗事件は仕組まれたものらしい。影乃は相棒の雪永とともに、蔵主家の家庭内トラブルや経営陣の内紛に巻き込まれていく。
80年代の東京を舞台に、「影の探偵」コンビが復活するハードボイルド・ミステリー。
(徳間書店 1900円+税)