「ラボ・ガール」ホープ・ヤーレン著 小坂恵理訳
物理学、地球科学の研究者を父に持つ著者は、研究室を遊び場として育った。彼女の人生に大きな影響を与えたのはトウヒの木で、長く厳しい冬の間、針のようにとがった葉が白い雪と灰色の空を突き刺すように伸びる姿は、禁欲主義の完璧なモデルのように感じられた。彼女は夏には木登りを楽しみ、木に話しかけた。その木は彼女が遠く離れた地にいるときに、季節はずれの5月の大雪で枝が折れてしまったため、両親が安楽死させたが、彼女は木から学んだことを忘れずカリフォルニア大学に進み、地球生物学分野の研究者となる。
「タイム」誌で「最も影響を与えた100人」に選ばれた研究者の自伝。
(化学同人 2600円+税)