「うちの父が運転をやめません」垣谷美雨著

公開日: 更新日:

 猪狩雅志は、78歳の高齢ドライバーが事故で小学生に重傷を負わせたニュースを聞いて気づいた。うちのオヤジも確か今年78歳になる。

 息子の息吹を連れて帰省すると、2人の足元すれすれに車が滑り込んだ。気がつくと、運転席には父がいる。発進も急発進だし、ドアにはへこみがある。運転を代わると言っても聞かない。

 だが、父が運転をやめたら買い物に行けなくなるし、生協も配達してくれず、両親の生活が成り立たない。同級生の博之は、父たちの世代には運転できるのは男らしさの象徴で、免許の返納は本人の尊厳を傷つけると言う。だが、その博之の父が事故を起こして……。

 高齢化社会の生き方を考えさせる家族小説。

(KADOKAWA 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動