「10分で名著」古市憲寿著
古典や名著が難解に感じられるのは、当時の読者には常識だった前提知識が現代人にはないからだという。そこで、誰もがタイトルを知りながら実際に読み通すのが難しそうな名著・古典について、それぞれのプロに読み方や読みどころを教わるブックガイド。
まずはイタリアの詩人ダンテの長編叙事詩「神曲」。西暦1300年、35歳のダンテが3つの死者の世界を巡るこの作品は、新訳を完成させた原基晶氏によると「私たちの世界を形作っている『個人』というものに、最初に形を与えた作品」のひとつだという。そして3部の中では、地獄編がエンターテインメントとして面白いと薦める。
ほかにもプルースト「失われた時を求めて」、アインシュタイン「相対性理論」など12作品を網羅。
(講談社 990円)