「思えばたくさん呑んできた」椎名誠著
「思えばたくさん呑んできた」椎名誠著
椎名は20人あまりの男たちで「わしらは怪しい雑魚釣り隊」をつくった。テントが張れて焚(た)き火ができる海岸を探し、釣った魚で作った雑魚鍋、雑魚めしなどを肴に呑んでいる。
関東近県で3、4カ所、秘密のキャンプ地がある。流木を燃やして雑魚鍋をつつきながら、酒を呑む。夕暮れまでは圧倒的にビールだが、日が暮れて風が冷たくなる頃は、それぞれ好きな酒になる。焚き火を見ていると、がさつな思いが浄化される。酔っぱらってもテントまで這って3分なのだ。
高知に行ったときは、「ドロメ祭り」で仲間が5合の大杯を5.1秒で一気飲みして優勝した。
あちこちで気ままに呑みまくる酩酊エッセー。 (草思社 1760円)