虫さされと思ったら…そのブツブツは「帯状疱疹」の恐れあり
目安として、1週間で発疹の拡大は止まり、その後、1週間でカサブタに、さらに1週間経つとそれが取れる。放っておいても、帯状疱疹が自然と治る人もいる。
■放置すれば後遺症が出るリスク
なんだ、大した病気じゃないな――。そう考えた人もいるだろう。しかし、それは大きな間違いだ。
帯状疱疹を発症すると、その後、「帯状疱疹後神経痛」という後遺症に悩まされる人がいるのだ。発疹は治ったのに、痛みだけが残る。3カ月以上続いたら、帯状疱疹後神経痛と診断される。
「前駆痛から発疹、水ぶくれにかけて生じる痛みは、水痘帯状疱疹ウイルスによる炎症の痛み。炎症は鎮痛薬や抗ウイルス薬で抑えることができます。しかしその後、炎症で神経細胞や神経線維が変性したことによる痛みに変化する。神経の変性は元に戻せません。抗てんかん薬、抗うつ薬、医療用麻薬などを投与する対症療法になります」
神経の変性の度合いで、痛みの程度、持続期間などが変わる。数カ月で痛みが消えてしまう人もいれば、数年で日常生活に支障がない程度まで薬で痛みが抑えられる人、帯状疱疹後神経痛で10~20年も外来に通っている患者もいるという。