朝からじわじわズキズキ…放っておいたら危ない頭痛の症状
転倒や衝突などで頭を打った後、2週間から3カ月後に頭痛が出現したら、「慢性硬膜下血腫(SDH)」を疑うべきだ。
「脳を包む硬膜と脳の間に血腫ができる病気で、頭部打撲から数週間から数カ月かけて血腫ができ、その圧で脳の働きが低下します。頭痛だけでなく、ふらつきや認知症状、失禁などの症状が加わって、放置すると麻痺や意識障害が生まれ、最後は脳幹などを圧迫して呼吸を止めてしまいます」
70代の男性は、“朝から片頭痛らしき頭痛がする”と来院。診察したところ、まっすぐに歩けない。聞くと1カ月前に、テニスでフェンスに激突。頭をぶつけたという。MRIをとると硬膜と脳の間に血液がジワジワとたまる静脈性出血を起こしていた。
「幸いこの男性は手術で血液を除去し回復しましたが、放っておいたら危なかった。50歳を過ぎると畳に軽く頭を打っただけでSDHになる場合があります。朝からの頭痛、物忘れ、歩行障害、失禁などの症状があり、頭を打った記憶があれば病院で診てもらうことです」
頭痛は頭痛以外の異変に注意することが重要だ。