歌えなくなったら…木山裕策さんの運命変えた後悔と挑戦
■もし声が出たら何かチャレンジしたい
結果的に声は無事だったわけですが、声が出るかどうかわからない時点では、歌うことがこんなに好きなのにただの一度もチャレンジしてこなかったことを後悔しました。
仕事もあるし、それなりに悪くない人生ではあるけれど、もしこの先、また病気になって本当に声をなくしたら? 命に関わる病気になったら? と考えたとき、子供たちに何も残らないなと思ったんです。“もし声が出たら何かチャレンジしたい!”そう思いました。
でも、会社に復帰すると仕事に追われ、結局、何もしないまま半年がたっていました。しゃべるのも痛いし、唾をのんでもツレる喉で歌うのが怖くなっていたんです。術後初のカラオケはひどいものでした。
そこから部屋にこもって歌う自主練を再開して、だんだん前の感覚が戻ってきたのが手術から1年後。人前で歌うことに挑戦し始めたのはその頃です。子供のピアノの発表会でお願いして歌わせてもらったり、夏祭りののど自慢に出たり、カラオケ店で自分の歌のCDを作ったりもしました。