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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

心臓に負担大 「ゴルフの突然死」を防ぐ

公開日: 更新日:

 とはいえ、ゴルフが心臓に負担がかかるスポーツであることもまた事実です。心臓疾患を抱えている人や、突然死の危険因子を多く抱えている人は注意が必要です。

 ゴルフ場で発生した突然死の報告を見てみると、その75%がグリーン上のパット時、15%はドライバーでのティーショット時というデータがあります。パターは、昔から「1・5メートルのパットがいちばん心臓に良くない」といわれます。手ごろな距離のパットは「外せない」という緊張感や大きなプレッシャーがかかるため、普段とは呼吸が変わって血圧も一気に上がります。また、打つ際の前かがみの姿勢も心臓に負担がかかります。

 ドライバーショットは、「とりわけ1番ホールの第1打が危険」だといわれています。寝不足のままウオーミングアップもせずに、いきなりドライバーをフルスイングすると心拍数が急激に上がり、心臓の血管を収縮させて発作を招くのです。

 そもそも、ゴルフは「心臓発作が起こりやすくなる状況」が整っているスポーツといえます。たとえば、朝早く起きてゴルフ場に出向くことが多いため、普段は高血圧の薬を服用している人が薬を飲むのを忘れてしまい、血圧が高い状態でコースに出るケースも少なくありません。これは、薬で血糖を下げている人も同じです。

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