著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

正常な組織は守る 副作用が少ない3つの最新放射線治療

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②CyberKnife(サイバーナイフ)

 第4世代のサイバーナイフは、最先端のロボット技術によって多方向から一点に集中して治療を行うことで、高精度の定位(ピンポイント)放射線治療を実現した治療装置です。以前は、頭部を動かないようにがっちり固定して行われていましたが、この技術ではロボットが照射中に生じる患者さんのわずかな動きを感知して正しい位置に補正して照射するため、1ミリ程度の誤差の高精度なピンポイント治療を提供できるのです。主に脳腫瘍や転移性脳腫瘍等の治療で用いられ、1回で治療が終了する場合と複数回に分けて行う場合があります。

③Vero-4DRT(ヴェロ)

「動体追尾放射線治療」というもので、呼吸による体内の臓器の動きに合わせて放射線が出るヘッド部分が動く機能を持っており、動体を追尾しての治療ができます。

 つまり、肺がんのように呼吸で動いてしまうがんに対し、がんだけに放射線を当てたい場合にとても有効です。赤外線認識センサー及びX線透視複合システムで体内のターゲットの位置を捉え、リアルタイムに照射ビームを最適な方向へ誘導します。ミサイルを追尾して迎撃するのと同じ考え方ですが、これはまだ国内では少ない台数しかありません。

 放射線治療も進化しているのです。

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