正常な組織は守る 副作用が少ない3つの最新放射線治療
②CyberKnife(サイバーナイフ)
第4世代のサイバーナイフは、最先端のロボット技術によって多方向から一点に集中して治療を行うことで、高精度の定位(ピンポイント)放射線治療を実現した治療装置です。以前は、頭部を動かないようにがっちり固定して行われていましたが、この技術ではロボットが照射中に生じる患者さんのわずかな動きを感知して正しい位置に補正して照射するため、1ミリ程度の誤差の高精度なピンポイント治療を提供できるのです。主に脳腫瘍や転移性脳腫瘍等の治療で用いられ、1回で治療が終了する場合と複数回に分けて行う場合があります。
③Vero-4DRT(ヴェロ)
「動体追尾放射線治療」というもので、呼吸による体内の臓器の動きに合わせて放射線が出るヘッド部分が動く機能を持っており、動体を追尾しての治療ができます。
つまり、肺がんのように呼吸で動いてしまうがんに対し、がんだけに放射線を当てたい場合にとても有効です。赤外線認識センサー及びX線透視複合システムで体内のターゲットの位置を捉え、リアルタイムに照射ビームを最適な方向へ誘導します。ミサイルを追尾して迎撃するのと同じ考え方ですが、これはまだ国内では少ない台数しかありません。
放射線治療も進化しているのです。