著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胆のう・胆管がん手術 東京は総手術数の1割を担う

公開日: 更新日:

 胆のう・胆管がん手術の都道府県格差は、どのくらいでしょうか。ただ、手術件数が少なく、全国平均で見ると、胆のうがんが人口10万人当たり1.56件、胆管がんが1.20件(ともに2014年度の数字)にとどまっています。また手術ゼロ県も、少なからず存在します。そこで今回は件数そのもので比較してみました。表は手術を多く行っている都道府県をまとめたものです。

 言うまでもなく、手術件数はおおむね人口に比例しています。トップはどちらも東京都で、全国の手術の1割を担っています。しかし胆管がんでは2位に愛知県が食い込んでおり、3位の大阪府を大きくリードしています。また、福岡県が胆のうがんで3位に入るなど、必ずしも単純に人口に比例しているわけではありません。どちらかの手術を得意としている県がある一方、神奈川県や千葉県のように、どちらもバランスよく手掛けている県もあります。

 一方、胆のうがんでは、沖縄県、佐賀県、山梨県が手術ゼロ県になっています。これら3県は、他のがんでも手術件数が少ないほうの常連です。佐賀県は福岡県に隣接しているため、県内に有力病院がなくても、あまり問題はないでしょう。同様に山梨県は東京都へのアクセスが良く、また県南地域は静岡県の有力病院に出やすいので、やはり大きな不便はなさそうです。ただ沖縄は、胆のう・胆管がんに限らず、九州・大阪・首都圏の病院を目指す患者が大勢おり、不便さを感じている人が多いかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…