2万人調査で4割が…肩凝り・頭痛・腰痛はうつ病の始まり
厄介なのは、本人の自覚のなさに加え、医療機関を受診してもうつ病が疑われないこと。
「重症でなければ精神科を受診せず、大半は内科を受診します。医師もうつとは思わず、自律神経失調症や不定愁訴症候群といった診断名がつけられがちです」
こう指摘するのは、内科医のための精神医学のワークショップを10年前から行う宮崎医院(愛知県)の宮崎仁院長。内科医である宮崎院長の外来患者のうち、3~4割が適切な診察や検査を行っても原因が見いだせないという。そして、彼らの中にうつ病が隠れている場合が大いにある。
「うつ病の早期発見、早期治療は重要です。治療までに要する期間が短ければ、『治療期間の短縮』『再発回数が少ない』『自殺念慮消失率が高い』ことにつながります」(内藤教授)
本人に自覚がない以上、周囲の“声かけ”が重要になる。家族や同僚の様子から前出の身体症状が続いているようなら、医師への受診を勧める。内科医に診てもらうのであれば、精神科診療のテクニックを身に付けている医師がベター。宮崎院長は「産業医をやっている医師は、内科医でも比較的うつ病に詳しいように思います」と話す。
もちろん、メディカルクリニックや心療内科などならなおいい。