大汗の後のビールも危ない 「夏の血栓症」はここに注意
■ダイエットやピルも大敵
そもそも血栓はどうやって作られるのか?
「正常な血管では、血管内では血液が固まりません。ケガをして血管から血液が出て初めて固まります。ところが血栓ができやすい血管は主に3つの問題点があるといわれています。血管壁の状態が悪い、血液の流れが悪い(うっ滞)、血液の成分が変わることです」
健康で若々しい血管はゴムのようにしなやかでその内側もすべすべしている。ところが、血管が老化すると、硬くもろくなり、内側がベタベタしてくる。
「老化した血管では血液中の悪玉コレステロール等が血管壁にとりつきその中に侵入しようとするため、それを排除しようと白血球の仲間が集まってきます。白血球の仲間は悪玉コレステロール等を食べた後に死んでしまいます。その死骸と残ったコレステロールがプラークとなり、それが何らかの刺激で破れると、その傷を修復するため血小板が集まってきてかさぶたを作る。これが血栓です」
ちなみに健康な血管は、出血が収まると傷口周辺の内皮細胞が増殖して血管壁は修復される。その後は血液中のプラスミンという物質などの働きで血栓は溶かされ跡形もなくなるという。