大汗の後のビールも危ない 「夏の血栓症」はここに注意
「ところが動脈硬化や老化が進んだ血管はこのシステムがうまくいきません。血液がよどむことで、血栓ができることもあります。その代表が心房細動です。この病気は脳梗塞(脳塞栓)を引き起こしやすいことが知られていますが、それは心臓が震えるだけで血液を外に出せないからです。血液同士がぶつかり血栓ができるのです」
若い人でもコレステロールや中性脂肪の高い人は血液の流れが悪くなる。
ちなみに血流のよどみによって起きる血栓症は動脈より静脈に多い。飛行機内などで同じ姿勢で座っていると発症する下肢静脈血栓症は血液が心臓から吐き出される動脈よりも、心臓に戻る静脈の方が血流がゆっくりしているからだ。
血液成分のほとんどは水分。夏に大量の汗をかいた後に、利尿作用のあるビールや度数の高いお酒ばかり飲んでいると血液が固まりやすい成分に変わってしまう。水分が抜けた分だけ血小板をはじめとした血液凝固成分の濃度も濃くなるからだ。
「夏場にダイエットする人も注意が必要です。人間は1日に1~2リットル程度の飲み水が理想といわれますが、それ以外に食べ物から取っています。ダイエットで食べない人はその分、水分を取らなければなりません」