インフル感染リスクを下げる「マスク」の正しい使い方
インフルエンザにかかっている人が、咳、くしゃみ、会話などでまき散らすウイルスを含んだ飛沫は、自分の顔周辺に飛んでくるケースが多い。飛沫はマスクの表面に引っかかるが、ウイルスはそのまましばらく生き続けることができる。それだけ、マスクは汚染されやすいといっていい。汚染されたマスクを手で触り、そのまま目をこすったり、食事をしたりすれば感染リスクが高くなる。他のものに触れば、感染を拡大させてしまう可能性もあるのだ。
■手洗いとセットで感染リスク低下
2006年から07年の冬、オーストラリアでマスクの有効性についての比較試験が行われた。子供がインフルエンザと診断された143家庭を対象に、家族が「医療用マスクをするグループ」、「N95相当のマスク(0・3マイクロメートル以上の微粒子を95%以上捕集できるマスク)をフィットテストをせずに使用するグループ」、「マスクを使用しないグループ」の3グループに分けて比較したところ、家族の感染率に有意な差は見られなかった。
むしろ個人単位では、医療用マスクをしたグループ(約20%)の方が、使用しないグループ(約16%)よりも感染率が高かったという。