子供の歯磨きを禁止 埼玉の歯科医師による“実験”の結論は

公開日: 更新日:

■戦前の“純和食”でダラダラ食いを回避

 黒沢氏が実験から得た結論は、子供の虫歯予防で重要なのは「何をどう食べるか」であり「歯磨きの徹底」ではなかった。

 黒沢家の子供たちは決まった食事とおやつの時間しか食べ物を口にせず、飲み物も水やお茶を喉が渇いた時だけにするよう心掛けた。

「食べ物を口にすると酸が作られ歯の表面のミネラルが溶ける『脱灰』が起こります。それを唾液が中性に戻し、ミネラルが歯に入り込んで虫歯を防ぐ。これを『再石灰化』と呼び、『脱灰→再石灰化』が歯の健康を守るメカニズムになります。このメカニズムを、我が家の子供たちは自然に会得していたのです」

 脱灰は食べ始めて3~5分で起こるが、再石灰化は食後20~30分経ってから。間食が多いと脱灰の機会が頻繁に起こる。つまり「脱灰の時間が長い=虫歯ができやすい状態が長い」で、虫歯のリスクが高まる。

 では、ここに伝統食がどう関わるのか?

「ダラダラと飲み食いするのが、虫歯に一番なりやすい。砂糖や油が入ったおやつは、ダラダラ食べ続けることができてしまうのが問題です。一方、伝統食は、砂糖や油をほぼ使用しません。血糖値が上昇して満腹感を覚えればそれ以上の食欲を抑えやすく、規則正しい食生活習慣が確立しやすいのです」

 伝統食だからこそ、虫歯になりにくい食べ方ができる。長女の佳子さんは現在、歯科医師だ。もっとも、これは子供に限った話で、大人は歯周病の問題があるため歯磨きが不可欠だという。念のため。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動