そもそもホクロって何? 生える毛はなぜ太くて長いの?
これらのホクロや黒アザが黒いのは、増殖した母斑細胞が作るメラニン色素の色だ。そして、母斑細胞母斑に生える毛が、太く長く伸びやすいことにもメラニン色素が関係しているという。
「ホクロがあるから毛が生えるのではなく、たまたま毛穴のあるところにホクロができたから太い毛になるのです。それは母斑細胞の部分はメラニン色素の生成が活性化しているため、毛を作る毛母細胞が刺激されることで毛の成長が促されて太く長くなるのです。黒アザの表面に硬い毛が生えているものは『有毛性色素性母斑』、巨大型で剛毛を伴うと『獣皮様母斑』と呼ばれます」
つまり、たまたまホクロに毛が生えた状態も、有毛性色素性母斑の一種で何ら不思議な現象ではない。ただし、先天性の巨大型の母斑細胞母斑は、皮膚がん(悪性黒色腫)を発生しやすいといわれている。やはり、「ホクロにできた毛を抜くとがんになる」という噂は本当なのか。
「ホクロ自体は良性腫瘍なので、毛を1回抜いたくらいではがんが発生することはありません。しかし、皮膚はどこでも慢性的な刺激を加え続けると、細胞のDNAが傷ついてがんができる可能性があります。ホクロの毛が気になるようなら抜くのではなく、根元でカットしてホクロはあまり触らない方が無難です」