市販の咳止めや風邪薬 安易な服用が推奨されない理由
■米国では「効果がはっきりしない」の報告
コデインとエフェドリンは、咳止めとして一定の効果があるのは間違いない。これらが含まれる咳止め薬や総合感冒薬も市販されている。
しかし使用には注意が必要だ。
「コデインは、便秘、呼吸しにくくなるなどの副作用があり、喘息、心臓病、肝障害などの基礎疾患がある人は使えないケースもあります。また、依存性があってコデイン中毒の患者もいます。最近、12歳未満へのコデインの使用が規制されました。しかし、小児でも使える総合感冒薬にもコデインが含まれているものがあるので注意してください」
交感神経を刺激するエフェドリンは、心臓病、高血圧、糖尿病の患者は慎重に使う必要がある。コデインと同じく依存性があり、覚醒剤原料にもなるため、含有量が10%を超えて配合されているものは覚醒剤取締法の対象になるほどだ。
「そもそも、咳は痰やほこりなどの異物を体外に排出するための防御システムです。咳止め薬で咳と痰を止めてしまったことで、かえって症状が悪化する場合もあります。咳喘息、肺炎、場合によっては肺がんなどの重篤な呼吸器疾患が隠れている可能性もあるので、咳が長引くときは医師に相談してください」
咳を止めるために、市販の咳止め薬や風邪薬を自己判断で安易に使わない方がいいのだ。