石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

昼間の眠気は認知症の初期症状? 米国医師会雑誌に論文が

公開日: 更新日:

「昼間どうしようもない眠気に襲われる」という経験は誰でもあると思います。前の日に寝不足であれば当然眠くなりますし、退屈な会議や授業、つまらない映画ドラマで眠くなるのも自然なことです。

 ただ、普通に話をしていたり、緊張して車を運転しているような時にも、すぐに耐えがたい眠気が襲う、というようなことがあれば、病気による眠気という可能性もあります。

 むろん単純に病気とは言えない症状として、年齢と共に強くなる昼間の眠気があります。

 昔から縁側で居眠りをするおばあちゃん、というようなイメージがありますが、高齢者は昼間に特にきっかけがなくても、眠ってしまいがちなものです。

 それでは、この眠気が何か病気の兆候、ということはないのでしょうか。今年の米国医師会雑誌に、昼間の眠気の危険についての、興味深い論文が掲載されました。

 それによると、アルツハイマー病の初期の兆候が脳の検査で認められることと、昼間の病的な眠気との間には、強い関連が認められていました。

 アルツハイマー病では、物忘れなどの症状が出るずっと前から、脳にアミロイド・ベータという異常タンパクが沈着するのですが、その沈着が多くなると、それに伴って昼間の眠気が強くなるようなのです。その眠気はひょっとしたら、認知症の初期症状かも知れません。

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