日本は不妊大国 生殖補助医療の治療数は人口比で米国の4倍
不妊治療には、「タイミング法」や「排卵誘発法」などの一般的な治療と高度治療(生殖補助医療)がある。「人工授精」を高度治療と思っている人も多いが、事前に採取した精子を女性の子宮内に注入するだけなので、費用も安く、一般的な治療に含まれる。成功率も5~10%と、期待するほど高くない。
いまの国内女性の平均初婚年齢は約30歳。すでに自然妊娠できる可能性は少しずつ低下していく年齢で、35歳くらいから急激に低下する。そのため生殖補助医療(体外受精、顕微授精、凍結胚融解移植)を受ける女性が急増しているのが現状だ。国立成育医療研究センター・不妊治療科の齊藤英和医長が言う。
「日本は不妊大国。生殖補助医療の治療数は年々増加していて、2015年には約42万件が行われています。人口が約2倍の米国の治療数は約23万件なので、人口比で米国の約4倍治療していることになります」
そして、生殖補助医療によって誕生する出生児も年々増加していて15年は約5万人。国内の新生児の約20人に1人にあたる。このうち約77%は凍結胚融解移植で出生している。