著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

野菜は意識して多めに食べるが酒の席では気にしない

公開日: 更新日:

 僕のような1型糖尿病患者では、食事療法は治療にほとんど関係がない。重要なのは、食べる量と注射するインスリンの量とのバランスである。 

 食べる量に対してインスリンが少な過ぎれば血糖値が跳ね上がってしまうが、多過ぎれば低血糖を起こしてしまう。低血糖を起こさないよう、むしろ「しっかり食べる」ことを医師に言い含められているほどだ。

 それでも僕は、「2型期」に一度は真剣に食事療法をマスターしている。その時に会得した感覚は、インスリンのみによる治療に切りかえてから14年が経過した今もなお、体に染み付いている。

 白飯やパンがこれだけの量で何キロカロリーくらいか。鶏のササミ肉ならどれだけ食べれば1食当たりの適正な量になるか。目分量でおおむねの見当はつく。物を食べる際には、過去に身に付けたその感覚が、ほとんど自動的に頭の中を駆け巡り始めるのだ。

 特に野菜については、常に多めに取るように意識しているし、ほとんど取れない時は罪悪感にすら駆られてしまう。野菜をいかに効率的に摂取するかは、食事療法の要のひとつだ。栄養バランスもさることながら、先に食物繊維を多めに取っておけば、それが食べたものを包み込んで緩やかな消化を促し、血糖値の急激な上昇を抑えることができるからだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ