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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

古村比呂さんも苦しいと吐露 抗がん剤の「副作用」対処法

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■将来はiPS細胞で

 では、どうするかというと、症状の程度によっては、抗がん剤の量を減らしたり、プレガバリンと呼ばれる神経障害性疼痛やビタミン剤を内服したり。保温やマッサージなどで改善を試みることもありますが、それでもダメなら、抗がん剤を中止するケースも少なくありません。

 もうひとつ、ほとんどの抗がん剤に見られる副作用が、血小板など血球の減少です。大体、抗がん剤を投与してから1週間ほどで減少し始め、その後、2週間程度続きます。血小板には、血液を凝固させて止血させる働きがあるため、血小板が減少すると、出血が止まりにくくなるのです。

 鼻をかんで鼻血を出したり、歯磨きで歯茎から出血したり。皮下の内出血や血尿、血便も珍しくありません。そういうときの止血法はいくつかあります。

 たとえば、鼻血は小鼻を指で圧迫し、氷で冷やす。氷で冷やすのは、血管を収縮させて止血するためです。このように出血部位を圧迫したり、冷やしたりするのが止血のポイントですが、血小板減少による出血は、簡単に止まらないことがあるので、事前に主治医に相談しておくことが無難でしょう。

 出血がひどい人は、血小板輸血という奥の手もありますが、問題点がないわけではありません。iPS細胞の応用で、自分の血小板をつくって、輸血できるようになればすばらしいと思います。

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