更年期女性にホルモン補充療法 気になる乳がんリスクは?
HRT群の乳がん発見率は、非HRT群の2倍だったが、これは①と③の両方が関係していると考えられる。
土井医師は「発症リスクと死亡リスクは違う」と強調する。
「重要なのは、早期発見です。乳がんは早期発見すれば命を落とす危険は極めて低くなる。HRTでやや発症リスクが上がっても、HRTで乳がん検診を確実に受けるようになれば、早期発見のメリットを得られる。更年期障害のつらさを抱えているなら、マンモと超音波を毎年受けることを大前提に、HRTを検討すべきでしょう」
一般的な乳がん検診はマンモだけなので、「マンモと超音波を毎年」ということを忘れずに。高濃度乳腺はマンモだけでは見逃される可能性がある。この際、大切なのは、更年期障害の知識を十分に持つ乳腺外科医と婦人科医を受診することだ。乳がんが専門の乳腺外科医の中には、更年期障害を深く知らず、「マンモだけでいい。そもそもHRTは不要。更年期障害は我慢すればいい」という考えの医師もいる。