ヒルドイドは全く同じ成分と濃度の市販薬を安く購入できる
セルフメディケーションが進まない日本では、病院で薬を処方してもらいたがる人が多くいます。医療用とまったく同じ成分の薬でさえ、市販薬としては売れない=病院でもらおうとする……というから不思議です。
その顕著な例が「ヘパリン類似物質クリーム」です。総称名の「ヒルドイド」と言えばピンとくる方も多いのではないでしょうか。昨年、本来の治療目的ではなく、美容目的(化粧下地や美容クリームとして使用)で処方してもらう人が多く、処方量が激増している社会問題としてマスコミに取り上げられ、有名になった薬です。
ヘパリン類似物質クリームは、本来は皮膚乾燥などの治療に用いられる良い薬ですが、「家族が受診したついで」などと称した不適切な処方が問題視されています。薬ですからもちろん副作用のリスクがあり、内出血を助長する恐れもあるのです。
そんなヘパリン類似物質クリームは、まったく同じ成分で同じ濃度の薬を市販薬として薬局で買うことができます。しかも、病院で処方してもらうよりも安いのです。それなのに、わざわざ病院でもらおうとするのですから不思議です。