「日本うんこ学会会長」石井洋介さん 潰瘍性大腸炎を語る
再び入院となったのは高校を卒業した年の夏でした。腹痛、発熱、下血が続き、強めの治療をしても良くならないまま1カ月が経ちました。そして入院中に大量下血して、トータル約6リットルの大量輸血をしたそうです。血液を総入れ替えしたぐらいの量です。「緊急手術」と聞かされた時は、「今日死ぬのかも」と初めて死を意識しました。
友達もなく、夢もなく、難病を抱えて自暴自棄になっていたボクですが、いざ本当に死にかけてみたらやっぱり死にたくありませんでした。
「もう一度、元気になって少しでも世の中の役に立つような生き方をしてから死にたい」と、初めて生きる理由を考えたのです。
そして19歳で人工肛門になりました。もう食事制限もないし、抱えていた不調もなくなり、「やるしかない!」と人生に前向きになったのですが、何かやろうとすると二の足を踏んでしまう。「街に出よう」「でも人工肛門だしな」、「彼女をつくろう」「でも人工肛門だしな」という具合に、人工肛門を理由に動きだせない自分がいたのです。
■人工肛門閉鎖手術で抱えていた不安が消えた