大病患い生活をガラリと…おかげで健康寿命を手に入れた
命取りになりかねない重大病が、かえって健康をもたらすことはある。
東京都世田谷区在住のカメラマン、Sさんが突然、心筋梗塞を起こしたのは 約10年前、41歳の時。
スポーツジムでランニングマシーンによるトレーニング中、これまで感じたことがない胸の痛みが生じた。休んだらよくなるかと、近くにあった日焼けマシンに横になったが、痛みはますますひどくなる。
かつて尿管結石で激痛を味わった時に「体位を変えても痛みが消えない場合は内臓に原因がある」と聞いていたため、原因は内臓だと思った。耐え難いほど痛みは強くなってくる。このままでは死ぬ! そう感じ、しかし、救急車を呼ぶと目立つのでちょっと……との思いから、必死に車を自分で運転し、病院へ行った。あとから考えれば「自分で運転」は無謀だったが、それしか頭に浮かばないほど、切羽詰まった状態だった。痛みが生じてから1時間ほど経っていた。
「時間は昼2時過ぎで、受付は終わり。胸が死ぬほど痛い、モルヒネを打ってくれ――と言ったのを覚えています。診断名は、心筋梗塞。そのまま手術になりました。術後、医師に『あれほどの痛みなら、普通は気絶するよ』と言われました」