大病患い生活をガラリと…おかげで健康寿命を手に入れた
医師からは「今の生活を続けると、死ぬよ」とハッキリ言われた。死ぬのはいいが、痛いのは勘弁だ、と思った。心筋梗塞の痛みは、バイクを100キロのスピードで飛ばして車に突っ込みバイクが廃車になるほどの怪我を負った時よりも、はるかに痛かった。
「生活をがらりと変えました。たばこはスッパリやめた。栄養士に1日の野菜の摂取量を教えてもらい、実践。両手に山盛りくらいのサラダは必ず食べるようにし、外食時もサラダを頼む。青汁も飲んでいます。夜9時以降は何も食べないようにし、逆に朝食は必ず取るようにしました。たまに自宅でウイスキーを1、2杯飲んだりしますが、基本的には自宅では飲まない。睡眠も、きちんと取っています」
我慢や無理はやめた。仕事を詰めすぎず、休みをきちんと確保。先のことはくよくよ考えない。運動はハードすぎず、心臓に負荷をかけない、軽く汗をかく程度のものを選ぶ。加圧トレーニングは、血液量を制限して運動を行うことに不安を覚え、心筋梗塞以来、遠ざかっている。
「健康体だった時を100とすると、今の力は80くらい。この体と付き合っていくしかない」とSさんは言う。しかしそれが、健康寿命を延ばすことに役立っているのは確かだろう。災い転じて福となす、なのだ。