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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

“的中率”は90%超 がん血液検査の読み方と過剰診断リスク

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 がんは早期発見が一番です。がんの専門医として講演で何度もお話ししてきたことですが、昨年自分で膀胱がんを見つけたことで、その思いがより強くなりました。その点でいうと、日経新聞が先日、「血液1滴で、さまざまながんを発見する検査キットが来年にも一部の人間ドックなどで実用化へ」と報じたことは、注目でしょう。

 血液検査のみなので、面倒な胃カメラも被曝リスクがあるX線も必要ありません。採尿や採便の手間も不要ですから、注目されるのはもっともでしょう。

 血液検査がターゲットにするのは、マイクロRNAです。DNAが情報を蓄積するのに対し、RNAは必要に応じて情報処理を担います。

 より小さいRNAがマイクロRNAで、体内には2000種類以上あります。

 それが、がんの発生初期から血液中を循環することが判明。2014年から国立がん研究センターを中心にプロジェクトが組まれ、研究されてきたのです。

 対象となるのは、胃がん大腸がん肺がん食道がん、膵臓がん、肝がん、胆道がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫の13種類。今年2月までに約5万3000検体がチェックされ、見通しの明るい結果が報告されています。

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