「麻酔」のテクニックは施術者によって大きく差が出る
以前、麻酔が苦手な38歳の男性患者さんがいらっしゃいました。通院し始めてすぐの頃は、「麻酔をします」と伝えると、アッという間に顔から血の気が引き、冷や汗をかいていました。子供の頃からとがったものが苦手だということに加え、小学4年生のときに歯科医院で皆から寄ってたかって押さえつけられて麻酔を打たれたことによる恐怖心がずっと拭えずにいたそうです。そこで、治療をする前に歯と顎の模型を使い、どの辺りにどのように麻酔を打っていくのかを説明し、痛くない注射ができることをお伝えしました。最初は半信半疑だった患者さんは、説明を聞いているうちに平静さを取り戻し、納得して麻酔を打たせてくれて、その日を境に苦手だった麻酔を克服することができたと言ってくださいました。
自分にとってストレスのない治療をしてくれる医院を探すことは、人生や生活の質を上げるための重要なポイントになる。僕はそう考えています。
(構成=小澤美佳)