飲めば痩せられる糖尿病の治療薬は誰でも服用できるのか?
その負のスパイラルが形成されてしまわないように、まずできるのは、いま現在の体重、体脂肪率はどうなっているかを確認すること。優れた体組成計が比較的安価に手に入りますから、できるだけ頻回に測定するようにしてください。
体重、BMI、体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量、基礎代謝量などの数値を把握しているのと、単に「太ったな」と思っているだけなのとでは、生活の仕方が異なってくると思います。
「昨日食べ過ぎて、体重や体脂肪率が増えた」「この1週間数駅歩いてみたら、体重が減った」など結果が可視化されれば、おのずと「やるといいこと」「やらない方がいいこと」を行動に移せるようになるはずです。
■脂肪を消すタンパク質も見つかった
ところで、皆さんは「痩せ薬」があればいいのに……と思ったことはありませんか?
実は、体重を低下させる作用のある薬がすでに登場しています。それは、糖尿病の治療薬である「GLP―1受容体作動薬」や「SGLT2阻害薬」です。GLP―1は“痩せるホルモン”ともいわれる消化管ホルモン。このホルモンを注射で投与すると、胃の運動を抑えて食事中に満腹感を得やすく、お腹がすきにくく、食事量を抑えられる働きがあります。また、SGLT2阻害薬は尿から糖を排出して血糖値を下げるのですが、それによって体重減少効果も得られるのです。